FX取引にかかるコストと税金について

FX取引のリスク管理について

 FXも金融商品の一部であり、元本保証型の商品ではないことから、当然損失を出すリスクは存在します。株のように、一夜にして紙切れなどということはないですが、レバレッジを基本として売り買いを行うFXには、「マージンコール」と「ロスカット」という二つのリスク管理手続きが存在します。少々ややこしいのですが、FX初心者にもわかるように、書いてみます。

 まずマージンコールですが、保証金の50%を超す損金が出たときに、その時点で決済するか、追加保証金の拠出を求める制度です。10万円の証拠金で20倍200万円のレバレッジを組んで取引している場合、1ドル105円(105万円)で買ったドルが100円(100万円)に下がったとき、含み損は5万円ですから、証拠金の5割です。

 この場合、FX業者は持っているドルを売って決済し、損益を確定させるか、あるいは証拠金の追加を求め、上の例で言えば、あと10万円上積みすることによって、含み損の比率は25%に下げさせます。これがマージンコールです。レバレッジの比率が高いほど、わずかな相場変動でマージンコールがかかる仕組みになっていますので、FX初心者は注意が必要です。

 続いて、「ロスカット」です。これは日本語の俗称「損切り」になります。ロスカットの例としては、証拠金の20?30%(取引業者によって異なる)になると、持っている通貨の一部やすべてを決済してしまうことです。マージンコールと似ている面がありますが、大きな違いは、マージンコールは証拠金の上積みで解除できるのに対して、ロスカットは強制的に決済させられる点にあります。

 マージンコールもロスカットも、損失が出た場合、その損失を証拠金以内の最小限に抑えるための安全弁のようなもので、FX初心者が少額の資金で始めたFXで大損失を出しても、実際の損失負担は、証拠金の範囲内で収まるのです。

 

FX取引にかかるコストと税金について

 FX取引で利益が出たとしても、その利益が全部自分のものになるわけではありません。FX取引会社に支払う手数料やスプレッド、そして税金があります。

 まず手数料についてですが、会社によって違いますが、たとえば1ドルの片道(売りまたは買いのどちらか)で0.02円?0.4円といったところです。1万ドルを売ったら、おおむね200円から2000円程度ということになります。同じ外貨取引でも外貨預金の場合には、1ドルにつき片道1円くらいになりますので、1万ドル売ったら1万円ということになりますから、それに比べたらFXは非常に安いということです。

 これはFXが短期売買を繰り返すことが多いため、低く抑えられているわけですが、安いからといって、あまりに細かい短期売買を繰り返すと、差益がそれほどでもないのに、コストばかりが積み重なって、長期的にはそれほど儲かっていないという結果にもなります。

 続いて、スプレッドというものがあります。これは為替相場と実際に取引をする際の価格との差です。 例えば、ドル円(USD/JPY)で売値115.05ー買値115.08と表示されていれば、売る場合に0.5円、買う場合に0.8円のスプレッドがかかっていると考えてよいでしょう。このスプレッドも業者によって差があり、手数料とスプレッドの合計額が取引の際のコストとなります。手数料が安くてもスプレッドが高い(あるいはその逆)という場合も考えられますので、この辺は業者を選ぶときにFX初心者は必ずチェックしたほうがいいようです。

 最後に税金です。日本の預金でも利子に税金がかかることからもわかるとおり、FXによって得たキャピタルゲインやインカムゲインは課税の対象です。雑所得という扱いになっているので、総計が20万円を超えた場合には確定申告の必要が生じます。さらに、被扶養者扱いになっている主婦がFXで50万円以上の利益を出すと、扶養からはずれるようになります。

 ですから、FX初心者も、できるだけ必要経費項目を増やして、無駄な税金を払わないようにしなければなりません。FXに関連する控除項目は、パソコン購入費、インターネット接続料、FX関連書籍購入費などがありますが、手っ取り早く必要経費を捻出するにはパソコンを買うのがよいでしょう。もちろん、買ったら即時転売して経費回収するわけですが(笑)

 以上、FX初心者が知っておくべきコストについてまとめてみました。