クリスマスキャンドルでくつろぐ

クリスマスキャンドルがとけてゆく

 クリスマスキャンドルはローソクです。当然のことながら、火をつけるとローソクですから溶けていきます。クリスマスキャンドルを鑑賞するのみ、という人を除けば、やはりキャンドルに火を灯してキャンドルのあかりを楽しみます。

 クリスマスキャンドルに一度火を灯せば、時間の経過に合わせてロウが溶けていきます。そしてすべてのロウが溶けてしまうと、最後にはすべて跡形も無くなってしいます。時間とともにキャンドルのロウは溶かされて、形が崩れていきます。一般の人たちはこのようなとき、「キャンドルが溶けていく」とか「キャンドルが崩れていく」といった表現をすると思います。しかし、キャンドルを趣味にされている人たちの間では、そのような表現はしないようです。「キャンドルが成長する」と表現するのだそうです。

 そういえば最初は同じ形をしていても、火を灯してみれば、ひとつとして同じような形で溶けていくようなことはありません。火を灯す人間が違えば、キャンドルの置かれた立場、キャンドルの置かれた環境などの違いによって、ひとつひとつ溶け方が違ってきます。それを「キャンドルが成長する」というのだそうです。なんか、人間の成長過程にも当てはまることのようで、たかがキャンドル、されどキャンドル、といったところでしょうか。

 クリスマスの時期はクリスマスキャンドルに火を灯して、自分自身の成長のみならずキャンドルの「成長」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

クリスマスキャンドルでくつろぐ

 クリスマスキャンドルに火をつけてみます。普段は蛍光灯の下で生活しており、蛍光灯で照らされているものは、すべてが目に飛び込んできます。しかし、クリスマスキャンドルによって照らされた部屋を眺めてみてください。これでは、まったく気がつかなかったことが見えてくるかもしれません。

 観葉植物が壁に作り上げる影や、部屋の家具が作り上げる影などもあります。そしてそれらの影は、キャンドルの炎がゆれるのに合わせて、ゆらゆらとゆれていきます。クリスマスキャンドルの小さな光源の中にいると、普段の生活ではまったく感じることのできなかった何かに気づかされることもあるようです。

 キャンドルのちいさなあかりの中では、文庫本などの文字の小さな書籍は読むことは難しいようです。よしんば読めたとしても、かえって目が疲れてしまいます。クリスマスキャンドルのもとで、写真集などを眺めてみてはそうでしょうか。そうです、読むのではなく、眺めるのです。

 キャンドルのあかりのもとで、写真集のページがぼんやりと浮かび上がってきます。キャンドルのあかりの効果で写真の陰影がより深くなってくることでしょう。ページをめくっていくと、どんどん写真の中に気持ちが入り込んでいくかもしれません。ぼんやり眺めていくことが、こころに意外な効果をもたらします。クリスマスの時期は、都会の喧騒もいいかもしれません。しかし、たまには違うクリスマスはどうでしょうか。クリスマスキャンドルのもとで、ぼんやりとくつろぐのです。