ワード文書ファイルのデータ復旧

エクセルファイルのデータ復旧

 エクセルファイルが読み込めなくなるトラブルに対してはどのようなデータ復旧の方法があるのでしょうか。エクセルは、単一のブック内だけの表計算ではなく、複数のブック間でリンクすることができます。つまり、リンク元のブックの数値などを別のブックに読み込むことができます。リンク元のブックで数値を変更すれば、リンク先のブックの数値も自動的に変更されるのです。ブック同士をリンクさせておけば、同じ数字を何回も複数のブックに書き込む必要はないのです。これは「外部参照式」と呼ばれる機能です。この機能を利用すればどうしても開くことのできないエクセルファイルのデータ復旧も可能となることがあります。

 新規のブックを2つ開き、片方のブックのセルに残りのブックのセルをリンクさせます。例えば、Book1とBook2を開いて、Book1のセルにBook2のセルをリンクさせます。次の段階で、Book1のリンク元の編集を行い、リンク元をBook2から開くことのできないファイルに変更するのです。どうしても開くことのできないエクセルファイルをあえて開こうとはせずに、リンク先でセルの内容を表示させる、という方法です。ことによって開くことのできないエクセルファイルのデータの抽出が可能となるのです。

 この方法を利用してデータ復旧ができるのは、文字列と数式のみです。しかし、どうしても開けないエクセルファイルのデータ復旧をしたい時に試してみるのもいいかもしれません。

 

ワード文書ファイルのデータ復旧

 ワード文書が開けない、けれども大切なデータなのでデータ復旧をしたい、という時があります。ワード自体のアプリケーションソフトには何ら問題がなく、「開いて修復」などを利用しても修復できないケースを考えてみます。このような時はワードの「ファイル修復コンバーター」を利用してデータ復旧を試みてもいいかもしれません。この機能は、ファイルの文字列のみを取り出すことができる機能です。そのため、書式設定や画像、描画オブジェクトなどは失われてしまいますが、ヘッダーやフッダー、フィールド文字列などはテキストデータとして復旧されます。描画オブジェクトは残念ながら作り直しになってしまいますが、書式設定は再度設定し直せばよいだけです。画像データは元のデータを再度貼りなおすのみです。せめて文字列だけでも取り出すことができれば、文書ファイルのデータ復旧はやりやすくなります。「ファイルを開く」画面で、ファイルの種類を選択する際に「ファイル修正コンバーター」を選択します。

 この「ファイル修復コンバーター」をそのまま使用してデータ復旧ができるのはワード文書のみです。ワード文書以外のデータを「ファイル修復コンバーター」を使用してデータ復旧を行うには、別にオプション設定が必要になります。ワードを立ち上げて、「ツール」〜「オプション」を選択し、「全般」タブを開きます。「文書を開くときのファイル形式を確認する」という箇所にチェックを入れれば良いだけです。あとの開く手順は通常のワード文書データと同じになります。