有償サービスを利用してデータ復旧を行う

アプリケーションデータのデータ復旧

 アプリケーションデータは、それぞれ専用のフォーマットで作成されており、決められたアプリケーションで開くことが前提となっています。例えば、ファイル拡張子が「.doc」の場合はワードで、「.xls」のファイルはエクセルで開くことが一般的です。そのため、それらの専用のアプリケーションが正常に動作しないと、ファイルそのものを開くことができないことがあります。また、これらのファイルの大半は、データが部分的に破損してしまっただけでも、ファイルそのものを開くことができなくなります。アプリケーションに問題があるならば、アプリケーションを再起動させてみます。ファイルが破損しているのであれば、ファイル修復ツールで修復するのもいいかもしれません。

 アプリケーションデータにはその元になるファイルフォーマットがあります。エクセルならばCSV形式、ワードならばRTF形式と呼ばれるファイルフォーマットです。ファイルが開かない時は、データ復旧する方法として拡張子を変えて読み込んでみるのもいいかもしれません。エクセルならば「.xls」という拡張子を「.csv」に変更するのです。ワードならば「.doc」という拡張子を「.rtf」に変更します。

 エクセルデータをAccessで読み込んでデータ復旧するという方法もあります。Accessはデータテーブルとしてエクセルデータを取り扱うことができます。それを利用すれば、エクセルでは読み込めなかったデータのデータ復旧ができることがあるようです。

 

有償サービスを利用してデータ復旧を行う

 いろいろな市販ソフトを試しても、どうしてもデータ復旧ができない場合があります。重大の論理障害が発生したような場合、市販ソフトでのデータ復旧にも限界があることでしょう。また、物理的にハードディスクが相当なダメージを受けてクラッシュしてしまったような場合もあります。ハードディスクは非常に精密な機械であるため、個人で分解できるようなものではありません。専門の設備や技術を持たない人が、クラッシュしたハードディスクからデータ復旧を行うことは不可能です。

 そのような場合は専門業者に委託して有償でデータ復旧のサービスを受けることが最終手段となります。まだまだ一般的ではありませんが、法人のユーザーを中心にこれらの有償サービスを受けていることがあるようです。法人の運営上必要不可欠なデータであるので、なんとしてもデータ復旧しなければならない、といようなケースでしょう。

 これらの有償サービスは市販ソフトよりかなり高額となることがほとんどのようです。内容にもよりますが、数万円から数十万円必要といわれています。そのため、データ復旧したいファイルの重要度と、それが復旧できない場合の損失とを天秤にかけることになります。

 ただし、費用をかけたからといって必ずデータが復旧できるわけではないので注意が必要です。また、委託先の設備や技術力によってもデータ復旧の割合が異なってくるでしょう。メリットやデメリット、費用などさまざまなことを考えなくてはならないようです。