岡田武史体制、W杯までのテストマッチ

岡田武史の考える環境問題

 サッカー日本代表の監督に就任した岡田武史監督ですが「環境問題」にも関心があるようで、日本サッカー協会・特任理事として環境プロジェクトに取り組んだりもしたそうですね。

 岡田武史氏が、環境問題に興味を持ったのは意外にもかなり前で学生時代にまでさかのぼります。本を読むのが好きで、ある時、『成長の限界』という環境の破壊や資源の枯渇を警告するリポートを読んだことが環境問題に興味を持ち始めたキッカケだそうです。それからは環境関連の本を沢山読むようになり、米政府の21世紀地球環境問題予測リポートである『西暦2000年の地球』という本に衝撃を受けたのだとか。そして「これは大変なことになるな。自分に何ができるのだろう?」と考えていたら、あるNPOに出会い、環境問題に関わるようになった。02年に監督業を休んでいた際には、ヨハネスブルクで開催された環境サミットにも参加し、多くのNPOのトップと会たようです。こんなことをしていたなんて全く知りませんでしたね。

 前述のサッカーを通じた環境プロジェクトでの活動はどのようなものなのでしょうか。具体的にはスタジアムでは飲み物類の販売のときには、何度も使用できるリユースカップの導入しているみたいです。その他にも、チケットの裏に環境クイズを印刷し、ハーフタイム中にオーロラビジョンで正解を伝える」「生分解性プラスチックの食器を使用する」等、様々なアイデアを持っているのだとか。また、このプロジェクトを成功させるためには、チケット収入からの寄付によって植樹できる面積をフィールドなどに映すといった、活動を「可視化」することが大事だと考えていまようですね。岡田さんの環境問題への本気度が伺えますね。

 

岡田武史体制、W杯までのテストマッチ

 岡田武史監督は日本代表の試合を15試合指揮しましたが、イランとの死闘の末W杯初出場を決めた試合以降、岡田武史体制の日本は苦戦が続きました。あのジョホールバルの歓喜以降初めての代表戦となる、1998年2月15日のオーストラリアとの国際親善試合、3月1日のダイナスティ杯韓国戦こそ3〜0、2〜1で勝利します。

 しかしダイナスティ杯の中国戦で0〜2で敗北を喫して以降、日本はなかなか勝てなくなってしまいます。4月1日に行われた韓国とのW杯共催記念試合でも1〜2で敗戦。しかも、内容も良いとは言えず、本戦に向けて暗雲が立ち込めることになります。

 5月にパラグアイ、チェコを招いて行われたキリンカップでも岡田JAPANの苦戦は続きました。ホームにも関わらずパラグアイに先制を許し、終盤に相馬直樹のゴールで追いつくのがやっと。チェコ戦もなかなかゴールを奪うことが出来ず、守備陣は一定の仕事はするも、0〜0のドロー。結果、決定力不足という課題を抱えたままフランスに乗り込まざるをえないこととなってしまいました。

 6月3日にローザンヌで行われたユーゴスラビアとのW杯前最後のテストマッチでもこの課題を払拭することはできませんでした。相手は強豪とはいえ、0〜1で完封されたというのは本戦は相当苦しい戦いになることを予感させましたね。岡田監督も頭の中は不安しかなかったんではないでしょうかね・・・。

 結局、W杯本戦でも3戦全敗でGL敗退。アジアと世界との差をまざまざと痛感させられた数ヶ月でしたね。