岡田武史の日本代表選手時代

岡田武史、特任教授としての活動

 オシム監督の入院に伴い、急遽日本代表監督に再度就任した岡田武史さんですが、以前は大学での講義も行ったりしていたそうですね。北海道教育大学には平成18年度から行っている特任教授制度というものがあって、著名スポーツ指導者らを講師として招聘しキャンパスで講義を実施しているのだそうです。その際に当時横浜Fマリノスの監督をしていた岡田武史さんも岩見沢キャンパスで講義を行いました。当日は、後志郡赤井川村にあるキロロリゾートで合宿を行っていたマリノスと岩見沢キャンパスサッカー部の練習試合の後、岩見沢キャンパスに移動して講義を行うという流れ。

 講義には、岩見沢キャンパススポーツ教育課程の学生のほか、サッカー部に在籍している部員や、市内のサッカー関係者など約200名が出席したようです。また北海道教育大学の他キャンパスにもテレビ会議システムで同時中継され、講義の様子が配信されたということです。これはなんだかすごい話ですね。

 講義において岡田さんは、理想のチーム作りに関して熱っぽく語りました。また、選手に必要な意識については「楽しむこと」「お互いの存在を認め合うこと」「自分で考えて責任を持って判断すること」などが非常に重要であると説いたそうです。日本代表監督にまで上り詰めた人ですから説得力がありますよね。講義を受講した人にとってもためになる話だったのではないでしょうか。私もできることならその場で聴講してみたかったですね。

 

岡田武史の日本代表選手時代

 日本代表監督に就任した岡田武史監督ですが、現役時代も日本代表としてプレーしたことがあるということを知っていますか?

 現在のJ1ジェフユナイテッド千葉の前身となる古川電気工業でプレーしていた岡田武史。これは1982年に、岡田さんが日本代表としてインドのニューデリーでのアジア大会に出場した際の話なのですが、最初発表された代表メンバーには岡田さんの名がありませんでした。しかし、当時、代表のキャプテンを務めていた前田秀樹さんが負傷によって参加を辞退したことで岡田さんが追加招集されたのです。背番号は前田さんがつけていた9をそのまま背負うこととなりました。

 日本は1次リーグにおいて韓国、イランというアジアの強豪国と相対する厳しいグループに入ってしまいました。しかし、初戦のイラン戦では攻め手がほとんどといっていいほどなかったにも関わらず、終盤の木村和司さんによるゴールで1〜0で勝利をおさめます。ただ、このイラン戦での岡田さんの出場はありませんでした。

 最終戦の韓国戦の試合前の段階で、日本が2勝で首位、韓国が1勝1敗。しかし、得失点差により、日本が自力での1次リーグ突破を確保するためには引分け以上が必要。その大一番の韓国戦で、日本はFWの尾崎加寿夫さんに代えて、守備的な中盤の選手として岡田さんを大会初起用。日本は前半に1失点を喫するも、後半13分に岡田さんのクロスを原博実さんが合わせて、1〜1の同点とします。

 後半30分を経過し、勝つ以外には1次リーグ突破の目がない韓国に攻め込まれますが、日本は辛抱強く守る。そして、一瞬のカウンターから風間八宏さんが左サイドのゴールライン際からグラウンダーのボールを蹴り、そこに攻め上がった岡田さんのダイレクトシュートで逆転に成功。結局そのまま2〜1で逃げ切り、日本は首位で1次リーグ突破を決めました。岡田さんは守備を期待されての起用とはいえ、2ゴールに絡む活躍。日本の1次リーグ突破に大いに貢献したのです。