岡田武史代表監督復帰は正しかったのか?

岡田武史のドイツ留学時代

 岡田武史氏は現役時代・古河電工サッカー部でプレーしていたのですが、代表チームをやめてからドイツへのコーチ留学を行った経験があることを知っていますか?

 ある日、岡田氏は会社に頼んで、留学をさせてくれといったそうです。させてくれないのだったら、会社を辞めてでもドイツへ行く!と、上司を半分脅すような感じで行ったんだとか。まあ脅すというのは冗談でしょうが、留学に関して並々ならぬ意欲があったということが窺えますね。ある意味「岡田武史らしさ」を感じさせてくれるエピソードかもしれません。

 いざ、ドイツへ渡るとそれはそれは結構な苦労があったみたいです。まず、行ったときから用意されているはずの家も車も何故か何にもなくて、仕方がないので安いホテルを借り、新聞広告で貸家を探して電話。でもドイツ語も当時はよくわからないので直接行って、断られて、別のところに行って、また断れて・・・この繰り返しだったそうですね。実際のところサッカーはあまりやっていなかった、と当時を振り返っています。

 ドイツへコーチ留学までするのだから、帰国後もサッカーで食っていくつもりなのだろうと思っていたら、実際はそうでもなかったらしいですね。帰国後もまた仕事が出来ると思っていたそうです。ところが、日本に戻ってみると、なにか様子が違うことに気づきました。というのもJリーグが開幕していたのです。これには岡田氏も驚きを隠せなかったようですが、無理もありません。なにしろ日本リーグ時代の閑散としたグラウンドしか知らない岡田氏にとって、何万人もの観衆が大騒ぎしている光景を目の当たりにして、一体どうなっているんだ!?と思うのは当然ですよね。これについてもまるで浦島太郎状態だった、と苦笑いで振り返っていたそうです。

 

岡田武史代表監督復帰は正しかったのか?

 岡田武史監督の日本代表監督復帰が決まりましたが、この人選は果たして正しかったのでしょうか?

 私個人としては極めてまっとうなものではないかと思っています。

 まず、現状の日本代表及び選手の状態をある程度把握している人物でなければならないと思うんです。W杯の予選まで間がない現状ですから、今更オシムのチームから大幅に変えることは危険でしょう。なので、基本は現在のメンバーをベースに戦っていくことが得策なのではないかと。代表の状態はどうで、どこに課題を抱えていて・・・などを把握していない人物だと混乱を招くことになりかねませんからね。その点なら岡田さんなら最近までJクラブで指揮をとっており、この条件はクリアしているものと思いますしね。

 また、ある程度実績と経験がある監督でないとだめだとも思います。本当に急遽の監督交代という感じですから、そんな状況下でいきなり監督経験の乏しい人物を起用したところで結果は火をみるよりも明らかだと思います。その点で岡田氏は代表監督経験があり、また、J2・J1のクラブを指揮、複数クラブで指揮、所属クラブでタイトルを獲得・・・と経験・実績ともに充分です。日本人監督で彼より経験・実績面で上回っている人物はいないのではないでしょうかね。しいて言えばガンバ大阪の西野氏くらいでしょうか。

 これらの理由により、オシム監督入院に伴う次期代表監督に岡田武史氏を起用した協会の判断は決して間違いではないと思います。