岡田監督が考える名監督の条件とは

岡田武史が掲げる指導理念とは

 過去に監督として様々な偉業を成し遂げてきた岡田武史氏ですが、その監督としての指導理念というものが気になります。

 岡田武史の指導者としての理念・・・彼はインタビューでそれについて問われた際に「信賞必罰と公平」に尽きると答えています。

 良いときはほめて悪いときは叱る。これをサッカーに置き換えると、悪いプレー・覇気のないプレーや練習姿勢を見せたときには素直にほめる、逆の場合は叱るということでしょうかね。そして大事なのはそれを誰に対してもフェアに行うこと。これは代表を預かったときも同じだそうです。確かに接し方が選手によって変わることはかなりまずいことですよね。岡田氏も、「どんな選手であっても、監督が自分のことをどう考えているかは実に敏感に察知している」ということを感じ取っているようです。特に、人生がかかるといっても過言ではない代表などだと、そういった状況では、監督自身が自分をさらけだしていって正面からぶつかっていくしかないのだ、と。

 だが、そうしたとしても、チーム全員から監督が大好きで深く信頼を受けるということはあるわけないし、選手同士にしたって、どうしても合わない者がいる、とも言っています。そかし、この場合にいつも岡田氏が言うのは、グラウンドに立ったときはプロの仕事をしろ、ということ。

 「仕事の場において個人の利己的な感情を出すのは、完全に失格です」

 確かにグラウンド外でのことをグラウンド内に持ち込むことはあってはならないことですよね。

 この監督の理念にはしっかり筋が通っていますし、そういった意味でやはり本当にいい監督だなと思います。

 

岡田監督が考える名監督の条件とは

 これまでW杯出場がなかった日本をW杯の舞台に導き、Jリーグではコンサドーレ札幌をJ1に昇格させ、横浜Fマリノスを2年連続総合優勝させた岡田武史氏。個人的には岡田氏は名監督の中のひとりだと思っているのですが、岡田氏本人が考える名監督の条件とはどのようなものなのでしょう?

 実際そのようなことを問われた際、次のような名監督像を挙げています。

 まず、名監督と呼ばれている人たちに共通することは、全て最悪のケースを考えているということ。そして、最悪のケースが起きたときにではどうするか、を考えるのだ、と。どうせ考えた通りにはならないのだけど・・・とは言っていますが、その上で、全く考えずに「えいやあ!」と最初から思い切ってやってしまうような人はダメだというのです。やはり何事もよく考えて行動しないとダメということですね。

 また、考えるのはいいのだけど、最後まで考え続けてしまって悩む人もダメなのだそうです。あらゆる最悪の場面を考え切り、なおかつどこかでその考えを自分の頭の中から振り切って、「よし、しょうがない。これで行くぞ」と思い切る。そのような思考力と決断力のバランスの良い人が名監督なのではないか、と考えているみたいです。

 数々の偉業を成し遂げてきた「岡田武史」が言うことですから非常に説得力があるなあと感じましたね。また同時に、これはスポーツの監督だけではなく、組織のリーダーや集団の先頭に立つすべての人に言えることなのかもしれませんね。