岡田武史の著書「岡田武史の考えるサッカー」

岡田武史の著書「蹴球日記」

 「蹴球日記」

 岡田武史氏の著書のひとつですね。のちに横浜Fマリノスの監督として現場復帰し、J完全優勝に導くことになる前年の2002年日韓W杯の観戦記です。彼が目にした記念すべき自国開催のW杯を、彼自身のサッカー観、人生観なども交えつつ語ってくれています。岡田氏自身が監督を務めたフランスW杯を引き合いに出している箇所もあり、“「ただ一人のW杯代表監督を務めた日本人」が書いた本”といった感じは行間からも読み取れます。特に随所に織り込まれた昔のエピソードはとても興味深いですね。例のカズ外しの後、自分では友人だと思っていたジャーナリストに痛烈に批判を受けショックを受けたり、すっかり有名人になってタクシーが金を受け取ってくれなかったり・・・など。そのほかにも当事者でないと書けないエピソードが随所に隠れているのが面白いですね。そういうのもあって読み始めてから最後まで一気に読めた作品でした。もし「岡田武史」という人物自体にはそれほど興味がないという人でも、02W杯を回想する機会にも良いかも知れませんね。

 ですが、結局のところW杯全試合の観戦記ではないということはあらかじめ言っておきます。ただ、主要な試合はテレビ観戦を含め、ほとんど網羅しているので一般的なサッカーファンには充分楽しめる内容となっていますね。この時のほとんどの試合は観たので、「こんなことを岡ちゃんは思っていたんだな」と思うことは多々あったし、そういう意味でも面白かったですね。興味がある方は読んでみてください。

 

岡田武史の著書「岡田武史の考えるサッカー」

 「岡田武史の考えるサッカー」

 岡田武史監督の著書ですね。内容自体は、どちらかというと少年向けに書かれているのか、非常に分かりやすくかつ気軽に読むことができます。しかし、サッカー教本としても内容は濃く書かれていて、非常に好感が持てる内容だと思います。

 サッカーはなにも、ベッカムのフリーキックやキラーパス、スーパーゴール・・・だけではないと思います。そういう楽しみ方もいいでしょう。ですが、サッカーの技術や戦術であったり、スピードやスペース、さらに選手自身のメンタルなど、試合や練習を含めて、選手は何をすればいいのか?そのような本物のサッカーを知るためにもとても参考になる本だと思います。

 どうすればサッカーが上手くなれるか?どうすればプレッシャーに打ち勝てるのか?プロフェッショナルとは何なのか?などサッカーに関する様々な考え方のヒントが出ていますよ。

 未来の日本サッカー界を支えていく役割を担う子供たちが、気合や根性だけではなく、キチンとしたコーチング、正しいやり方で楽しみながら、サッカーが上手くなれるための本だと思います。ですので、この本を5段階で評価するなら本自体の内容には星5つをつけます。ただ、問題は発売されたのが99年と比較的古いのでなかなか手に入らない点でしょうか。

 入手には図書館などに置いてある場合は借りるか、古本屋さんを回るか、またはネットショップ(アマゾンなど)を利用するのも良いかもしれません。