会計について

プライバシーについて

 最近は、プライバシー問題が重要視されています。病院は、特にプライバシーの保護を徹底させなくてはいけない所です。カルテに書かれている個人情報は保険証の詳細が記載されていますし、病名においてもその扱いに十分注意しなくてはいけません。

 プライバシーに関する話で、以前このような事がありました。いつも病院に同じ時間に待ち合わせるほど、仲の良い患者さん達がいました。「一人の方の姿が最近見えないね」と医療事務仲間で話していたのですが、やはりもう一人の患者さんも気にされていたようで「電話を掛けたいから番号を教えてほしい」とおっしゃったのです。よく聞けば「前に教えてもらったのだけど忘れてしまったから」という話だったので、それならと教えて差し上げました。ところが、翌日になってご家族からクレームの電話が!「勝手に人の家の電話番号を教えるなんて」と怒り心頭の様子でした。ひたすら謝って許して頂けましたが、この事件以降、医療事務の仕事に『プライバシーの徹底』が追加されました。

 医療事務の仕事は、受付で患者さんと接する機会が多くなります。慣れると、ついつい大きな声で話してしまいがちです。明るくはきはきとした応対をしなくてはいけないのですが、待合室に響き渡る声で話さないように気をつけなくてはいけません。しかしながら、高齢者においては耳の遠い方もいらっしゃるので、どうしても大きな声になってしまう時があります。このような場合は、なるべく近くまで行き、耳の後ろから話しかけると聞き取りやすいようです。また、高い声よりも低めの声のほうが、分かりやすいそうですよ。私の病院でも、なるべく他の方には聞こえないように、お薬に関する話や病状を聞くようにしています。

 医療事務の仕事に限らず、プライバシーの保護には細心の注意をはらうようにしなくていけませんね。

 

会計について

 医療事務の仕事を目指している方ならば、病院の会計業務には関心があることでしょう。今は、レセコンというとても便利なものがありますから、会計の仕事も随分ラクになっています。レセコンで会計業務を行わない私の病院でも、医療用レジの導入でとても効率良くなりました。

 しかし、これらの導入によって、新しく入ってくる医療事務員さんには、手計算が出来る人が少なくなっているように思います。患者さんに「この検査とこの薬をもらったらお会計はいくらぐらいかしら?」と聞かれることがあります。薬は一錠あたり何点というように決まっています。その薬を一日何錠×日数、さらには検査点・再診点などを加算していかなくてはいけません。患者さんをお待たせすることなく、的確に答えるには、パパッと電卓を叩けると本当に便利なんですよ。

 私の住む地域には、昔からある診療所があるのですが、ここの医療事務員さんはもう40年ぐらい勤めているような大ベテランの方です。コンピューターが、これほど普及されている時代に、彼女は未だに『そろばん』で計算されているのです!初め見たときは、ビックリしました。パソコンでも電卓でもなくて『そろばん』なのですから!もちろん、その医療事務員さんがパソコンを触れなくて、『そろばん』なのかもしれませんが・・・

 医療事務の勉強をしていなくても、パソコンに抵抗なく触れるのは、医療事務の仕事をする上で、とても有利です。しかし、パソコンと同じように電卓も触れるようになって欲しいというのが、現役医療事務員の願いです。