スケジュール管理も大事な仕事です

医療事務は何でも屋です

 各自治体が主体となって行っている住民検診、受けたことはありますか?私の地域でも、40歳以上の方は無料で受けられるとあって、多くの方が受けていかれます。

 無料ならば、医療事務の会計業務はしなくて良いから関係ないと思っていたら、大間違いです。クリニックのような小さい病院では、スタッフの人数が少ないため、医療事務員も補助の仕事に回らなくてはいけません。問診表の記入をしていただいた後、検尿のためにトイレへ案内したり、身長や体重も計測したりします。さらには、レントゲン機械に患者さんの情報を打ち込んだり、心電図の機械の後始末など、目が回る忙しさです。

 もちろん、これらの合間をぬって、通常の仕事もしなくてはいけません。あまりにも忙しそうな私達の様子を見て、患者さんの中には「忙しそうだから今日の会計 つけといて」なんて勝手な事を言う方も!(いやいや・・・それは困ります・・・)はたまた「私もついでに検診受けてもいいかしら?」と、さらに状況を悪化させる方もいて、この時期は仕事が終わると、昼寝がかかせないほどです。(短時間パートならではの、醍醐味を味わうひと時です)

 仕事の内容は、まさに『何でも屋』ですが、クリニックでは医療事務の存在がとても重要です。医師や看護師と息のあったチームワークがないと、診察がスムーズにいきません。「言われてから行動するのではなく自ら気づいて行動出来るような方」「どのような人とでも上手く付きあえる様な方」が、医療事務の仕事には向いているでしょう。

 

スケジュール管理も大事な仕事です

 寒くなってくると、インフルエンザの流行が気になるところですね。私の働く整形外科でも、インフルエンザの予防接種を行っています。

 インフルエンザの予防接種が始まると、注射を打つ医師はもちろんの事、医療事務も多忙を極めます。私の病院では完全予約制をとっているので、予めご希望の日にちを伺い、スケジュールをたてなくてはいけません。インフルエンザのワクチンは、1本に1ml入っているのですが、大人一人の打つ接種量は0.5mlと決められています。2人で1本のワクチンを使用しますから、余らないように予約制を取っているわけです。ワクチンは、一度封を開けると細菌などが繁殖する恐れがあるため、余ったら廃棄しなくてはいけません。これは病院にとって、大きなロスになりますから、どうしても避けたいところです。

 そんな経営状況も考えつつ、スケジュール管理の仕事を行わなくてはいけないのは医療事務です。しかしこれらの内部事情は、患者さんには全く関係のない話。「予約をして下さいね」と再三お願いしていても「今日、打ってくれないと困る」という患者さんが毎年、必ずいらっしゃいます。そんな時に専門用語を使って説明しても、患者さんには伝わりませんから、分かりやすい言葉で説明しなくてはいけません。通常の業務に加えて、この仕事をするのは、とても神経を使います。

 しかし、何故か嫌になったことはありません。医療事務の仕事をしていると、その仕事がいかに奥が深いかが分かります。全く知らなかった知識がどんどん増えていくのもとても面白いものです。