カルテのいろいろ

医療事務で大切なこと

 医療事務の仕事をする上で、大切なことは専門知識ではありません。一番大切なのは、思いやりの心と明るい笑顔です。

 病院には、小さいお子さんからお年寄りまで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。受付は病院の中で、一番最初に患者さんと接する場所です。熱があって気分が悪そうな患者さんもいれば、足や腰が痛くて歩くのも辛そうな患者さんもいらっしゃいます。このような場合は、こちらから患者さんの方へ出向き、困っていることはないか尋ねてみるのも良いでしょう。また、診察まで時間がかかるようならば、看護師や医師に診察の順番を融通してもらうよう依頼すると患者さんに喜ばれます。ただし、その際には周りの患者さんにその旨を伝え、納得していただくことも必要です。

 明るい笑顔も忘れてはいけません。慣れてくると、どうしても態度が事務的になってしまいます。患者さんに安心感を与ええるためにも、いつもにこやかに対応できるようにしましょう。

 医療事務の仕事は、受付にいるだけではなく、全ての患者さんの状況を把握することが大切なのです。自分だったらどうされたいのかを考えて行動に移す的確な判断力を必要とされます。仕事が出来る医療事務員は、患者さんからも医師や看護師からも信頼を得ることができます。患者さんに「あなたに会えるのが楽しみなの」と言われると、やる気も出てくるものです。

 スタッフの信頼が上がると、病院の評価もアップするでしょう。地域に根づいた医療を目指している病院は、誠実な態度で仕事が出来る医療事務員を望んでいるのです。

 

カルテのいろいろ

 病院で、自分のカルテをご覧になったことはありますか?現在は、カルテの開示が法的義務となっているので、医療機関に申し出れば、いつでも見る事ができます。とはいえ、おそらく素人が見ても全く内容は分からないと思いますから、疑問点は医師に聞くというのが一番良いように思われます。

 そんなカルテには、いろいろな決まりがあります。来院日、診療行為、処方薬、検査内容などを記載していくのですが、カルテの記載は基本的に医師が行うものとされています。受付では、医療事務がまず日付印を押し、診察室へ回します。この時に、気をつけなくてはいけないのが、行間と記載方法です。カルテの行間は1行たりとも、空けてはいけません。また、カルテに書き込む内容は青または黒のボールペンで記載しなくてはいけません。これらは、カルテの改ざんを防ぐためです。後で、内容を訂正する場合は、線で消してから、訂正印を押すのが決まりです。改ざんを防ぐために、このような決まりがあるなんて、知らない方は多いのではないでしょうか?

 カルテの記載は医師の仕事と書きましたが、医療事務もカルテに書き込む仕事があります。それは患者さんの情報です。医療事務の仕事をしていると、患者さんととても親しくなります。医師には言いにくいことも、医療事務員には話していかれる方は結構多いものです。病気とは関係がない事だと何気に話す内容に、案外 病気に関わる秘密が隠れていることもあるのです。これらの情報が医師の診察をスムーズにさせる役割を果たします。

 患者さんには、お話好きな高齢者の方もたくさんいらっしゃいます。人とお話をするのが好きな方には、とても向いている仕事ではないでしょうか?