会計業務について

薬品管理の仕事について

 病院では、さまざまな薬品を扱っています。病院によっては、これらを管理するための事務員がいるところもあるでしょう。しかし、クリニックでは医療事務の仕事になっているところが多いようです。

 私が働く整形外科でも、たくさんの薬品を保管しています。痛みを訴える患者さんが多いことから、消炎鎮痛剤の飲み薬や胃薬、骨粗しょう症、リウマチの薬・・・一番、良く処方される湿布剤においては、膨大な種類を扱っています。

 患者さんによっては、他院で処方されている薬と飲み合わせが悪いものがあったりするので、いろいろな種類を用意してあります。そして、これらの薬の在庫を切らさないように管理しなくてはいけません。

 ですから、朝は勤務が始まる前に薬のチェックです。薬が並べてある棚をチェックし、量が減っていれば補充、在庫がなくなれば注文といった仕事を行います。一見、地味に思われる仕事ですが、これを毎日繰り返すと、薬の名前や効能を覚えることができます。家族が病気になって、病院から処方された薬を見ると「これの効能はこうだから、病状はこんな感じ」という事が分かります。医療事務ならではの、特権でしょう。

 特権といえば、たまに薬のサンプルがもらえる時があります。新薬が出たりすると、製薬会社さんが病院に置いていってくれるものなのですが、試供品の薬と一緒にボールペンやメモなど色々なグッズがもらえる時があります。ささやかですが、医療事務の仕事に就いて良かったと思える楽しみな一時です。

 

会計業務について

 買い物に行くと、レシートをもらいますが、後でじっくり見るのは主婦の方ぐらいでしょうか。中には、財布がレシートでパンパンの人もいらっしゃるでしょう。病院でも、レシートを発行します。以前は、支払う金額しか書かれていないレシートを発行する病院が多く、前回と同じ薬をもらっただけなのに「何で金額が違うの?」と思ったこともあるはずです。

 平成18年4月厚生労働省は、保険医療機関は患者から負担金の費用を支払われるときには、個別の費用ごとに区分した領収書を交付することという決まりを設けました。これに伴い、多くの病院ではレセコンというレセプトコンピューターソフトを使用しています。カルテに書かれている内容を打ち込めば、会計まで自動的にやってくれるという優れものです。私の働く病院でも、このレセコンを使用しています。しかし、使用するのは、患者さんの登録や検索、レセプト作業の時のみで、会計には使っていません。

 レセコンを使えば、領収書も発行できてレセプト入力も一度に済むので楽なのですが、整形外科という診療科は、とにかくご高齢の患者さんが多いのです。患者さんの80%が高齢者と言っても過言ではありません。レセコンで出した領収書で、お会計を済ませた後に「薬も出して」とか「○円で収まるだけの湿布出して」なんて言われるのは当たり前です。ですから、私達 医療事務員は、常に電卓を叩き、点数と金額と格闘をしています。

 では、区分分けした領収書はどうするの?と思われるでしょう。これには、レジに秘密があります。スーパーで使っているレジが販売専用であるように、医療用のレジがちゃんとあるんですよ。患者さんの負担分、区分毎の点数を打ち込めば、金額が出るのです。レセコン使用の領収書と違うのは、名前が出ないことぐらいでしょうか。

 待たされることがとにかく嫌いな患者さんには、来院時にこちらから「薬はいりますか?」と聞くこともあります。ちょっとした気配りも医療事務には必要ですね。